バレエ『白鳥の湖』…名前は有名ですが、実際どんなストーリーなのかご存知ですか?
舞台や発表会を観に行くことが決まったら、ぜひ先にストーリーや見どころをチェックしておきましょう!
ジークフリート王子はある夜湖のほとりで、ひときわ美しい白鳥が美しい女性に変わる姿を目撃します。
その娘オデットは、悪魔ロットバルトの呪いにより白鳥に変えられ、夜の間だけ人間に戻れること、真実の愛を誓うと呪いが解けることを伝えます。
ジークフリート王子はオデットにすっかり心を奪われ、愛を誓います。
そして翌日の舞踏会。
騎士に変装した悪魔ロットバルトが、娘の黒鳥オディールを連れて現れます。
なんと、オディールは昨晩愛を誓ったオデットに瓜二つ。そんなオディールに誘惑され、ジークフリート王子はオディールに真実の愛を誓ってしまいます。
それを知り、悲しみに暮れるオデット。
ジークフリート王子は、オデットの呪いを解くことはできるのでしょうか?
この記事では、『白鳥の湖』のあらすじや見どころについて詳しくご紹介していきます!
【第一幕】
ジークフリート王子の成人を祝い、宮廷に友人たちみんなが集まり、楽しく踊っているところから舞台は始まります。
その宴の中でジークフリート王子は王妃から、翌日の舞踏会で花嫁を選ぶよう命じられます。
実感が沸かない王子は、友人たちが帰って1人になったあと憂鬱な気分になり、王妃から誕生日プレゼントで贈られた弓矢を持って、白鳥を狩りに森に向かいました。
森の奥深くにある湖のほとりで、ジークフリート王子は1羽のそれはそれは美しい白鳥を見つけます。
白鳥に目を奪われていると、なんと白鳥が美しい娘の姿に変わっていくではありませんか。
ジークフリート王子に気がついた美しい女性は、自分はオデット姫であること、悪魔ロットバルトの呪いにより白鳥に変えられ夜の間だけ人間に戻れること、さらに真実の愛を誓うと呪いが解けるということを伝えます。
その湖の付近は、悪魔ロットバルトが支配する世界だったのです。
すっかりオデットに心を惹かれたジークフリート王子は、オデットを救うため、愛を誓うことを約束します。
夜明けが近づくとオデットは白鳥に姿を変え、森の奥へと姿を消してゆくのでした。
また、湖の場面で登場する「4羽の白鳥」の可愛らしさも、ぜひチェックしてみてください!4人で手を繋いで踊るのは、数あるバレエのバリエーションの中でも「白鳥の湖」のみ。目まぐるしく変わる顔の向きにもご注目です。
【第二幕】
翌日。宮殿で舞踏会が始まりました。
美しい花嫁候補たちが次々と紹介され、華やかな踊りを披露します。
しかしジークフリート王子は、昨夜のオデット姫のことが忘れられず、どこか上の空。
そこに、騎士に変装した悪魔ロットバルトが、娘の黒鳥オディールを連れて現れます。
オディールは黒鳥ではあるのものの、なんとオデットに瓜二つ。
そんなオディールはジークフリート王子を誘惑するように踊り、ジークフリート王子は次第にオディールがオデットに見えてしまい、オディールに真実の愛を誓ってしまいます。
王妃にもオディールと結婚することを伝え、みんなの前でオディールへの愛を宣言してしまいます。
すると、窓の外に悲しむオデットの姿が見えます。
ロットバルトとオディールは、勝ち誇るように去っていきました。
騙されたことに気づいたジークフリート王子は、オデットを探すため宮殿を飛び出し、湖へと向かうのでした。
オディールと王子のグラン・パ・ド・ドゥは、ラストにオディールの32回転グラン・フェッテがあります!グラン・フェッテとは、片足を地に降ろさずに回り続ける回転。言わずもがな、大技です!大盛りあがりのシーンになりますので、お見逃しなく!
【第三幕】
湖では、もう呪いが解かれることがないと知ったオデットや白鳥たちが、ひたすら悲しみに暮れています。
追ってきたジークフリート王子は、オデットに改めて愛を訴え、許しを乞います。
オデットも王子の言葉を信じ、2人は再び愛を確認し合います。
そこへ現れる、悪魔ロットバルト。
2人の仲を引き裂くため、嵐を起こして攻撃をしてきます。
ロットバルトはとても強力ですが、命を投げる覚悟で王子は勇敢に立ち向かいます。
その姿を見て、オデットも命がけで王子を守ろうと戦います。
激しい戦いの末、2人の強い愛の力が勝り、ロットバルトを打ち破るのでした。
夜が明けると呪いが解かれ、白鳥たちは人間の姿に戻っていきます。
そして、ジークフリート王子とオデット姫は、永遠の愛を手にするのでした。
ダンサーの演技力が光る場面です。
結末は2パターンある!?
ハッピーエンドの結末を上でご紹介しましたが…実は『白鳥の湖』には、バッドエンドのパターンも存在します。
それは、王子とオデットが強力なロットバルトを前に湖の中に身を投げ、心中するというエンディング。
2人はあの世で結ばれる…というエンドになりますが、少し悲しさが残る結末ですよね。
実はこの悲劇エンディングのほうが、元祖の『白鳥の湖』のシナリオなのです。
真逆のキャラクターを一人二役の演じ分ける!
前述した通り、白鳥オデットと黒鳥オディールは、基本的には同じ人が演じます。
全くタイプの違う2キャラであり、もちろん踊り方も異なります。
簡単に言うと、オデットは儚く柔らかい踊り、オディールは自信に満ちた力強い踊りです。
ぜひ、ダンサーの演じ分けにも注目してみてくださいね。
◆2010年公開 映画「ブラックスワン」
ナタリー・ポートマン主演
まさに「白鳥と黒鳥の演じ分け」に焦点をあてた映画で、うまく演じ分けられないプレッシャーから徐々に精神が崩壊していくストーリーです。
ホラー要素のあるサスペンス映画となっていますが、バレリーナの精神状態はわりと近しいものがあると思います…。プレッシャーや厳しい食事制限、焦りや僻み妬みなど、メンタルブレイクしてしまう要素がたくさんあります。
ひとつのフィクション映画としてだけでなく、リアルなバレエの裏側という目線で観ても面白いと思います。
◆2015年より連載 漫画・アニメ「ダンス・ダンス・ダンスール」
「バレエなんて格好悪い!」という思春期の男の子が、精神的にも技術的にも成長していく物語。
漫画は2024年4月現在、連載中となっています。
アニメでは、4話・5話あたりに『白鳥の湖』が登場します!フィクションなので、現実ではありえないヒヤヒヤする展開となりますが…作品全体を通して、とても見やすく面白い作品です。
YUKIさんのOP「鳴り響く限り」も、とても作品に合っていて可愛いです!